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私が開業を決意した理由

私は消化器内科医としてこれまでに多くの消化管がん(食道がん・胃がん・大腸がん)の患者さんの内視鏡検査や治療、抗がん剤治療などに従事してきました。沢山の命を救ってきましたが、それ以上に多くの救えない命があり、毎日、医師としての無力さ・悔しさを痛感していました。特にStageⅣの進行消化管がんの患者さんは、どんなに頑張っても助けることが難しく、苦しさを取り除いてあげることさえ出来ないことも多々あり、どうすればこのような患者さんを救うことができるのだろうと日々自問自答を繰り返していました。
ところが、医学の進歩とともに消化管がんは早期発見・早期治療さえ出来れば、今では治せるがんの一つになっています。しかし、多くの消化管がんは、進行がんになるまで自覚症状がほとんどなく、症状が出てから内視鏡検査を受けて見つかった場合は残念ながらその多くが進行がんです。
実際に私が救うことが出来なかった消化管がんの患者さんの多くは、がんが見つかるまで内視鏡検査を一度も受けたことがないか、過去に検査を受けたことがあっても数年間検査を受けていませんでした。また、内視鏡手術で治すことができた消化管がんの患者さんは、健診などの内視鏡検査で偶然発見されたがんであることが多く、ほとんどの患者さんでは自覚症状もありませんでした。
胃カメラ多くの患者さんの治療に携わる中でこの事実を目の当たりにして、消化管がんで苦しむ人や亡くなる人を一人でも減らすためには、やはり早期発見・早期治療が大切だと痛感しました。また、そのためには負担や苦痛がない内視鏡検査を提供し、患者さんが定期的に繰り返し検査を受けることができるようにすることが最も重要だと思うようになりました。
しかし、多くの人が内視鏡検査は苦痛を伴うという悪いイメージを持っており、症状が出現するまで検査を受けないため、早期発見・早期治療の機会を逃しているというのが今の日本の現状です。この現状を打破するために鎮静剤を使用した苦痛に配慮した内視鏡検査を提供し、患者さんが繰り返し内視鏡検査を受ける負担を無くすことで胃がんや大腸がんで命を奪われる人を減らしたいと思うようになりました。
そこで「消化管がんで奪われる命を内視鏡で守る」という理念を掲げ、内視鏡検査を専門としながら地域の皆様のかかりつけ医として一般内科診療や健診も行う消化器内科クリニックを開業することを決意しました。

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