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胃のポリープって大丈夫? ー多くは慌てなくて大丈夫。胃底腺ポリープの基礎知識と受診の目安ー

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こんにちは。鹿児島中央駅西口消化器内科・胃大腸内視鏡クリニック 院長の細川です。

胃のバリウム検査や胃カメラ検査を受けた後に「胃にポリープがありました」と聞くと、どなたでも不安になるのではないでしょうか?

当院でも検査後にポリープがあったことをお伝えすると、多くの患者さんから切除しなくても大丈夫ですか?と聞かれます。

結論からお伝えすると、胃のポリープの多くは良性で、治療せず経過観察でよいケースがほとんどです

今回は胃のポリープの中でも胃カメラ検査時に日常的に良く見つかる「胃底腺(いていせん)ポリープ」について、患者さん目線でわかりやすく解説します。


🔶胃の「ポリープ」って何?

医学的には「胃の粘膜から生じる良性の盛り上がり(隆起性病変)」のことをポリープと言います。言い換えると、胃の表面がプチッと小さく高くなっている良性のできものです。

胃カメラでよく見つかる胃のポリープの代表例は次の2つです。

①胃底腺ポリープ

②過形成ポリープ

今回は、胃のポリープの中でも最も見つかる頻度が高い胃底腺ポリープに的を絞ってご説明します。


🩺胃底腺ポリープの特徴

  • 色調:周囲の正常な胃粘膜とほぼ同じ色をしています。表面が赤くただれたりすることは多くありません。
  • 表面:つるりとして滑らかです。出血やびらんを伴うことは稀です。
  • 大きさ:多くは5mm以下の小さなもの。
  • 1個のこともあれば、複数(多発)することも良くあります。
  • 経過大きくなったり小さくなったり、数が増えることもあります。また、自然に消える例もあります。
  • 背景ヘリコバクター・ピロリ未感染の胃に見られやすく、胃体部〜胃底部(ひだのある領域)に生じやすい傾向があります。
  • 年齢・性別中年以降の女性に比較的多いとされますが、男性や若年の方でも見つかることがあります。

🔍どうしてできるの?

はっきりした原因はわかっていませんが、いくつか知られている傾向があります。

  • ホルモンの影響が関与している可能性
  • 胃酸を抑える胃薬であるプロトンポンプ阻害薬(PPI)を長期間服用している方で、新たに出現・増加することがあるという報告もあります。
    • この場合、PPIを中止・減量すると縮小・消失することもあります(お薬の調整は必ず医師と相談して行いましょう)

🚶‍♂️症状は出る?—ほとんどが無症状

胃底腺ポリープそのものが胃痛や不快感の原因になることは稀です。
人間ドックや健診のバリウム検査・胃カメラで偶然見つかるパターンが大半です。胃もたれなどの症状があったとしても、多くは胃炎や逆流など別の要因が原因です。


🟡診断はどうやって行う?

  • 胃カメラでの直接観察が基本です。形・表面模様・色調を丁寧に確認します。
  • 必要に応じて、胃カメラ検査時にポリープからごく小さな組織を採取(生検)し、顕微鏡で良性かどうかを確認します。
  • 胃底腺ポリープと考えられる場合でも、大きさの変化や形に不整が出ていないかを定期的な内視鏡検査フォローでチェックします。

✅治療は必要?—ほとんどは「経過観察」で十分

胃底腺ポリープはがん化のリスクが極めて低い良性病変です。
そのため、切除などの治療は通常は不要です。ただし、次のような場合は追加評価が必要です。

  • 短期間で明らかな増大が見られる場合
  • 表面がゴツゴツ・へこみ・発赤・出血など不整が出てきた場合
  • 生検で細胞の異型が疑われた場合
  • 貧血の原因となっていると考えられる場合
    このようなときは再検査や内視鏡的切除を検討します。

📌どれくらいの頻度でフォローすべき?

当院では、年に1回程度の胃カメラを目安にサイズや形の変化がないか確認することをおすすめしています。次のような方は、医師の指示よりも早めの受診が安心です。

  • 最近急に大きくなったと言われた
  • 表面の性状が変わったと説明された
  • 貧血黒っぽい便など気になる症状が出てきた
  • PPIを長期内服中で数や大きさの変化が心配
    など

🍽当院でのサポート体制

  • 胃カメラは苦痛軽減に配慮(鎮静の使用可/安全性に配慮した監視体制)
  • 画像をお見せしながら丁寧にご説明し、「経過観察でよいのか」「治療が必要な場合いつ治療を考えるのか」を明確にします
  • 内服中のPPIの継続・減量・切替についても、症状や逆流のコントロールと安全性を両立できるよう一緒に調整します
  • 胃炎・逆流性食道炎・ピロリ菌感染の有無など、“ポリープ以外の原因”の見落としがないかも総合的に確認します

🚉受診のタイミングとまとめ

  • 胃底腺ポリープは小さく滑らかな良性ポリープで、多くは治療不要
  • 年1回ほどの内視鏡フォローで、形・大きさの変化をチェック
  • 見た目の変化急な増大異型の指摘があれば追加検査・切除を検討
  • お薬(PPI)については必ず医師と相談の上で調整

「本当に経過観察で大丈夫?」という不安は、画像とデータを一緒に見ていただくとスッと軽くなることが多いです。気になる方は一度ご相談ください。

🩺 35歳を迎えたら、一度は胃と大腸の内視鏡検査を

大腸がんや胃がんは、定期検査で未然に防げるがんの代表格です。

  • 「症状がないから大丈夫」ではなく、
  • 「症状がないうちに調べる」ことこそが予防につながります。

35歳前後をひとつの目安に、ぜひ一度検査をご検討ください。
その後は医師と相談しながら、適切な頻度でフォローすることをお勧めいたします。


🚉 アクセス抜群&安心の検査環境

当院は鹿児島中央駅西口に直結したAMU WE3階にあり、JR・市電・バスなどの交通機関からのアクセスもスムーズです。
お車でお越しの方はアミュプラザ鹿児島の駐車場がご利用可能です。
お仕事やお買い物の前後にも受診しやすい環境です。まずはお気軽にご相談ください。


🕊よくあるご質問(FAQ)

  1. 取らなくて本当に大丈夫ですか?
    A.
    胃底腺ポリープはがん化が非常に稀な良性病変で、多くは経過観察で問題ありません。ただし、形や大きさの変化があれば再評価を行います。
  2. 食事や生活で気をつけることは?
    A.
    特別な制限は不要です。逆流症状が強い方は食後すぐ横にならない・就寝前の飲食を控えるなど、逆流対策が有効です。
  3. PPIはやめた方がいい?
    A.
    自己判断で中止は禁物です。症状や合併症リスクとバランスを取りながら、医師と相談のうえで量や薬剤を調整します。
  4. どのくらいの頻度で胃カメラが必要?
    A.
    目安は年1回です。ポリープの状態や背景(ピロリの有無、内服薬、症状)により個別に間隔を調整します。
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