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胃の「過形成性ポリープ」ってなに?—見つかったときの考え方と受診の目安

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 🔶はじめに

こんにちは。鹿児島中央駅西口消化器内科・胃大腸内視鏡クリニックの院長の細川です。
健診や人間ドックの胃カメラ検査やバリウム検査で「胃にポリープがありました」と言われると皆さん不安になりますよね。
前回のブログでは健診で見つかる事の多い胃のポリープである胃底腺ポリープについてお話ししましたが、今回は胃底腺ポリープに次いで見つかる事の多い胃の過形成性ポリープについてお話ししたいと思います。
なるべく専門用語を減らして解説していきたいと思いますので、よろしければ最後まで読んでください。
結論から言うと、胃の過形成性ポリープの多くは良性のため治療は行わず経過観察することがほとんどです。
ただし、大きさや場所、見た目の変化によっては治療を検討することがあります。

 


🩺胃の過形成性ポリープの特徴について

【見た目】周りの粘膜より赤みが強いことが多く、表面に粘液や白い苔(はくたい)が付くことがあります。

【できる場所】胃のどの部位にもできます。一つだけでなく複数できることも。

【原因として多いものヘリコバクターピロリ菌の感染や、それに伴う慢性炎症や萎縮がある胃で見つかりやすい傾向があります。

【自然経過】自然に消えることは少ないですが、ピロリ菌の除菌治療をすると小さくなったり消えるケースもあります。

【がん化リスク】基本は良性ですが、2cm以上に大きくなると、まれにがん化することがあります。

【症状】ほとんどは無症状です。ただし胃の入り口や出口付近に大きなポリープが出来た場合は、つかえ感・胃もたれ・吐き気の原因になることがあります。また、ポリープの表面が刺激されると持続的な出血を来し、鉄欠乏性貧血につながる事もあります。

 


🔍どうしてできるの?

ピロリ菌感染や慢性胃炎、萎縮がある胃の粘膜は、粘膜が弱いため炎症で傷ついては修復を繰り返しやすい状況にあります。とくにピロリ菌がいると炎症が長引き、粘膜が過剰に再生されて盛り上がり易くポリープになると考えられています。病理学的には、腺窩上皮の過形成炎症細胞の浸潤を伴う炎症性ポリープの一種です。

 


🚶‍♂️診断:まずは胃カメラで「見て確かめる」

  • 胃カメラでポリープの形・表面・色調を直接観察します。必要に応じてポリープの表面から組織を一部採取し顕微鏡(病理検査)で確認します。
  • 「過形成性ポリープに見える」場合でも、サイズが大きい場合短期間での増大傾向表面の凹凸や色のむらなどがあるときは、より注意深いフォローアップや切除による治療を検討します。

当院では、患者さんのご希望に応じて鎮静剤を使用した苦痛に配慮した胃カメラ検査にも対応しています。
検査前の不安や既往歴については事前に丁寧に確認します。

 


🟡治療方針について

基本は経過観察です。
ただし以下のような場合は内視鏡的切除(ポリペクトミーなど)を検討します。

  • ポリープサイズが2cm以上と大きい、または短期間で急に増大した場合
  • 内視鏡検査や病理組織検査でがん化が疑われる所見がある
  • 出血を繰り返す貧血の原因になっている
  • ポリープが胃の入り口や出口近くにあり食べ物の通過障害などにより症状が出現している

ピロリ菌陽性なら、まず除菌治療を優先します。
除菌後に小さくなる/消える例もあり、切除が不要になるケースも多いです。

 


✅受診の目安チェックリスト

  • 健診・検診で「胃の過形成性ポリープ」と言われたが、次の方針が不明な場合
  • ポリープのサイズが2cm前後と言われた、または前回より大きくなっている
  • 黒い便が出る貧血気味ふらつきがある
  • 胃もたれつかえ感吐き気が続く
  • ピロリ菌陽性で、除菌の相談をしたい

ひとつでも当てはまる場合は、一度ご相談ください
必要な検査・フォローの間隔をご提案します。

 


🍽当院のサポート体制

  • 胃カメラ検査は鎮静剤を使用して苦痛軽減に配慮(安全確認の上でご案内)
  • 画像をお見せしながら丁寧にご説明し、「経過観察でよいのか」「治療が必要な場合いつ治療を考えるのか」を明確にします。
  • ピロリ菌の検査から除菌治療まで一貫してフォローします。
  • 治療として内視鏡的切除が必要と判断される場合は適切なタイミングでご提案します。
  • 検査後は、治療方針やフォロー間隔を明確にお伝えします。

 


🚉まとめ

  • 胃過形成性ポリープは多くが良性のため、慌てる必要はありませんが、定期的な内視鏡検査フォローは必要です。
  • ピロリ菌の除菌治療で縮小・消失することがあり、まずはピロリ菌感染の有無を確認することが必要です。
  • サイズが2cm以上増大傾向がある出血・貧血の原因となっている食べ物の通過障害の原因となっているなどがあれば内視鏡での切除治療を検討する必要があります
  • 迷ったら、専門医に相談して「ご自身にあった方針」を一緒に決めましょう。

受診・御相談はお気軽に!!
「健診・検診で胃にポリープがあると言われて不安」「除菌後のフォロー間隔を知りたい」など、どんな小さな疑問でもご相談ください。

 


🚉 アクセス抜群&安心の検査環境

当院は鹿児島中央駅西口に直結したAMU WE3階にあり、JR・市電・バスなどの交通機関からのアクセスもスムーズです。
お車でお越しの方はアミュプラザ鹿児島の駐車場がご利用可能です。
お仕事やお買い物の前後にも受診しやすい環境です。まずはお気軽にご相談ください。

 


📌よくある質問(Q&A)

Q1. すぐ切除しないと危険ですか?
A.
多くは良性で、すぐに切除が必要なケースは多くありません。ただしポリープの大きさやフォローアップ中の形態の変化によっては切除をお勧めすることがあります。

Q2. ピロリ菌の除菌だけで様子見して大丈夫?
A. 状況次第です。除菌で縮小・消失することがありますが、サイズが大きい/増大傾向である/出血がある場合は切除を検討します。

Q3. どのくらいの間隔で胃カメラを受ければいいですか?
A. ポリープの大きさ/形態/病理結果/年齢/基礎疾患などを目安に決めますが、一般的には年に1回の内視鏡フォローがおすすめです。

Q4. 痛みが心配です。
A. 当院では鎮静対応が可能です。鎮静剤を使用した検査では、眠っている間に検査が終わるため苦痛なく検査を受けていただけます。

※鎮静を使用した場合は、検査当日は車の運転をすることはできません。予めご了承ください。

 

 

監修:鹿児島中央駅西口消化器内科・胃大腸内視鏡クリニック  院長 細川 泰三

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