〜発生経路を知れば、予防の第一歩に〜
こんにちは。鹿児島中央駅西口消化器内科・胃大腸内視鏡クリニックの院長の細川です。
「大腸がんはどうしてできるのか?」
普段の診療でも、こうした疑問を持たれる患者さんが少なくありません。
実は、大腸がんには複数の発生パターン(経路)があるとされており、その数は少なくとも5つあると考えられています。
今回はその中でも、特に代表的な3つの経路をご紹介します。
① 腺腫→がんへと進行する王道パターン
【adenoma-carcinoma sequence|腺腫-がん経路】
最も一般的なルートで、大腸がん全体の70~80%がこの経路から生まれていると考えられています。
- 「腺腫」と呼ばれる良性のポリープが徐々にがんに変わる流れです。
- 特に隆起型(盛り上がるタイプ)の大腸がんはこのタイプに該当します。
この経路は定期的な内視鏡検査でポリープを発見・切除すれば、がんを予防できます。
② 最近注目されている“鋸歯状(きょしじょう)経路”
【serrated pathway|鋸歯状経路】
このルートは、近年の研究で注目を集めている新しいタイプの発がん経路です。
- 「SSA/P(sessile serrated adenoma/polyp)」や「過形成ポリープ」といった特殊な形のポリープからがんが生まれるとされています。
- 特徴としては、表面が平坦で目立たず、右側の大腸にできやすい傾向があります。
- 遺伝子の**メチル化(エピジェネティクス異常)**が関与していると言われており、女性に多いことも特徴です。
このタイプは見落としやすいため、検査時の細かな観察が非常に大切です。
この経路も定期的な内視鏡検査でポリープを発見・切除すれば、がんを予防できます。
③ ポリープなしで突然がんになるルート
【de novo carcinoma|de novo経路】
こちらは少し怖い経路で、正常に見える大腸の粘膜から突然がんが発生するタイプです。
- 「ポリープががんになる」のではなく、初めから“がん”として生まれる点が大きな違いです。
- 多くは表面型(平坦なタイプ)や陥凹型(くぼんだタイプ)のがんに見られます。
これらはサイズが小さくても油断できません。
見た目が地味で発見が遅れることが多く、進行した状態で見つかるケースもあります。
早期発見・早期治療のためにも定期的な内視鏡検査が必要です。
🩺「症状がないから大丈夫」ではありません
大腸がんは進行しても症状が出にくい病気です。
実際、「全く自覚症状がなかったのに検査で見つかった」という方も少なくありません。
また、大腸がんには遺伝的な要因が関わることも多く、若い世代でも安心とは言い切れないのが現実です。
🔍 35歳を過ぎたら、一度は大腸カメラを
当院では、鎮静剤を用いた苦痛に配慮した内視鏡検査を行っています。
「こんなに楽なら、もっと早く受けていればよかった」と感じる方が多いのも特徴です。
- 血便や便通異常がある方
- ご家族に大腸がんの既往がある方
- 健康診断で貧血を指摘された方
こうした方はもちろん、症状がなくても35歳を目安に一度、検査を受けておくことを強くおすすめします。
🚶♂️ まとめ:発生経路が多くても、予防の手段はシンプルです
大腸がんには複数の発生パターンがありますが、どのタイプも“早く見つけて、早く対処すれば怖くない”がんです。
「不安だけど、なかなか一歩が踏み出せない」
そんな方も、ぜひ一度ご相談ください。
私たちが、あなたの不安を安心に変えるお手伝いをいたします。
※次回は残りの2つの大腸がん発生経路についてわかりやすくご紹介します。
検査や予約に関するご質問も、どうぞお気軽にお問い合わせください。
🚉 通院しやすい立地と快適な検査環境をご提供しています
当院は、鹿児島市の消化器内科・胃腸内科として胃カメラ検査や大腸カメラ検査などおなかの不調を専門に日々診療しています。
鹿児島市のターミナル駅である鹿児島中央駅西口に直結するAMU WEの3階にあり、JR・市電・バスなど、さまざまな交通手段でのアクセスが可能です。
お車でお越しの方は、アミュプラザ鹿児島の駐車場もご利用いただけますので、お買い物やお出かけのついでにもご来院いただけます。
また、胃カメラ・大腸カメラ検査は鎮静剤を使用し、ウトウトと眠っている間に検査が終わるような工夫をしており、「思っていたよりずっと楽だった」との声も多くいただいています。
🕊 将来の安心のために、年に一度“健康の時間”を
忙しい日常の中で、つい後回しになってしまいがちな自分の健康。
だからこそ、年に1日だけでもご自身の身体と向き合う時間を設けてみませんか?
検査について不安や疑問がある方も、どうぞお気軽にご相談ください。
私たちが丁寧にサポートさせていただきます。
監修:鹿児島中央駅西口消化器内科・胃大腸内視鏡クリニック 院長 細川 泰三